ビジネス 3:マイケル・クレメンツさん ArtJamz 創設者

2010年のスタート以来アート愛好家のみならず、新しい事が大好きなワシントニアンの間で話題になっているのがポップアップアートイベントのArtJamz。3時間ワイン片手に自由に絵を描き作品はお持ち帰りというArtJamzの代表で、かつては日本に住んでいた事もある親日家のマイケル・クレメンツさんにその活動について伺いました。(以下ピンクのハイライト=Shigeko)
ArtJamzと絵を描く事の関係って、外食とうちごはんのような関係ですよね。
そうなんです。例えばレストランに行くとしますよね。そうすると誰かがあなたのために料理をして給仕し、しかも後片付けもしてくれる。ArtJamz もそれと一緒なんです。キャンバスも絵の具も絵筆もそろっているので、手ぶらでいらして下さったら後は絵を描いていろんな人達と話して、楽しい時間を過ごして頂く、勿論後片付けも無しです。
私も何度か参加させて頂きましたが、好き勝手に描いてたっぷり楽しませて頂きました。参加方法もとってもシンプルですよね。
ゲストがする事は、オンラインで参加したい日のイベントに登録し、後は当日会場に来るだけです。
pop up なので毎回場所が違いますが、今までどんな場所でイベントを開催して来られたのですか?
コーコランギャラリーやスミソニアン協会の美術館、アートギャラリーや新しいコンドミニアムにバーなどDC中のいろんな場所で開催してきました。この春と夏にはまたアメリカンアート美術館でイベントを開きます。ライブジャズもあるのですよ。
ポップアップに加えて今年の2月からは常設のイベント会場も開くとか?
これから10ヶ月間ですがDupont Circleにある常設スタジオで、毎週木曜日から日曜日まで毎晩イベントを開催する予定です。
子供も参加出来るのでしょうか?
夜は大人に限定ですが、KidsJamzというピザとペインティングの子供専用のイベントがあって常設スタジオで毎週土日の午後に開催します。普段なら叱られそうな壁の落書きも、ここなら全くOKです。
お誕生日のパーティーに最適ですね。ところでArtJamzのアイデアはどこから生まれたのですか?
友人4人と友人のスタジオでワインを飲みながら皆で絵を描いていた時の友人の「これがバーで出来たら楽しいだろうなあ」という何気ない一言で、「これだ」と思ったんです。ワインと音楽と同じくアートが大好きな人達が集まれば、きっと素晴らしいアートパーティーになる、これは絶対成功する、と思いました。
ところで本当に日本語を流暢に話されますね。
そうでもないです。アメリカン大学で国際コミュニケーションの修士号を取得した後、海外で仕事をしたかったのです。それでビジネス英語のコンサルティング会社に就職したら「日本の島根県に行く?」と言われて、島根県がどこかも分からず日本に行き、島根県の出雲市に2年、それから広島に1年半住みました。それと祖父から勧められたということも日本行きを決めた理由のひとつです。
コスモポリタンですね。話はArtJamznに戻りますが、とってもユニークなコンセプトですよね。
そうですね。でもituneやamazonなどで革命が起こった音楽や出版業界に比べて旧体制のままのビジュアルアート業界でビジネスを興すことは、リスキーでもあります。でもだからこそ沢山のチャンスもあるのですが。
実際にアートビジネスを立ち上げてみて、現実は如何ですか?
ArtJamzの運営で一番良かったと思う事は、多くの方が内に秘めた創造性を発揮してハッピーになって会場を後にされる事です。毎日の生活の中には創造も想像も限られていますから。
皆な忙しいですからね。
自分の手を使って何かを作り上げる、感じた事を瞬時に形にするということは魂をリラックスさせる瞑想のようなものですが、そんな贅沢な時間を共有出来る空間がArtJamzなのです。
私も参加してみて「癒し」を感じました。このデジタル時代になんかとってもアナログな事をしたようで、ホッとしたのかもしれません。
デジタルテクノロジーなしにはArtJamzは存在しえません。でも、ここでやっていることはアナログなんです。今風のテクノロジーは必要なく、会場に来て参加して絵を描いて、他の参加者と話してと、本当にアナログです。
ArtJamzはかつて人が出会っていた方法を再認識しているみたいなところがありますね。
デジタルエイジでは人との繋がりがどうしても稀薄になります。でもここでは人と出会う事がもっと自然で簡単なのです。新旧がミックスしたArtJamzはこの時代にあってユニークな存在だと思います。
これからのArtJamzの展開についてお話頂けますか?
Dupont Circleのスタジオでフランチャイズモデルを完成し、全米の都市や郊外の町でフランチャイズ展開をしていきたいと考えています。絵を描く事でより多くの方が幸せを感じる事が出来れば本当に嬉しいです。
また参加させて頂きますね。有り難うございました。
http://artjamzdc.com 一人一回$65(イーゼル、キャンバス、アクリル絵の具、絵筆、ワインとフード込み)
写真:Anchyi Wei Photography
